対人恐怖症に使用される薬には、主に以下の三種類があります。

  1. 抗うつ薬(SSRI)
  2. 抗不安薬
  3. β遮断薬

抗うつ薬(SSRI)

SSRIは抗うつ薬で、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」とも呼ばれており、脳内回路をつなぐシナプスが脳内物質のセロトニンを再吸収してしまうのを阻害する働きがある薬です。

対人恐怖症の人は、うつ病の人同様に脳内物質のセロトニンが不足していると考えられており、セロトニンの再吸収を防ぐことでセロトニンの減少を食い止められるため、大変効果があると言われています。

セロトニンとは?

セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質です。

そしてセロトニンの不足は、身体・精神の両面に様々な影響を及ぼします。 逆に、セロトニンが満ち足りていれば、心のバランスを整え、心の安らぎを与えてくれます。

抗不安薬

抗不安薬というのは、人と接する際の不安を和らげるための薬。 ですので対人恐怖症の人にはとても効果的で、よく処方される薬です。

β遮断薬

β遮断薬には、簡単にいえば交感神経の活動を抑えるという働きがあります。

つまり、興奮状態を和らげてリラックス状態にしてくれる薬なのです。

そのため、対人恐怖症に処方されるだけでなく、高血圧の人や心疾患の人にも処方されています。